部分塗装とパネル全体の塗装を比べる
部分塗装は傷の周囲だけを補修する方法で、作業範囲を小さくできれば費用や預ける期間を抑えられる可能性があります。ただし、元の塗装と新しい塗装の色味や艶に差が出ることがあります。車体の色あせが進んでいる場合や、濃い色、光の反射で色味が変わる塗装では、境目の見え方を事前に確認したいところです。
パネル全体の塗装は、面をまとめて仕上げる方法です。広範囲の傷や艶のむらがあるときに検討されます。隣接するパネルへ色をなじませる「ぼかし塗装」を加えると、さらに作業範囲が広がります。部分塗装で十分かどうかは価格だけで決めず、完成後にどの程度の色差が許容できるかを伝えて相談しましょう。
パール・マット塗装や異なる素材で増える工程
単色の塗装に比べ、パールや三層塗装は塗り重ねる工程が多く、色合わせにも時間がかかります。メタリックは金属粒子の向きによって見え方が変わるため、試し吹きや周囲へのぼかしが必要になる場合があります。マット塗装は通常の艶出し研磨で仕上げを調整しにくく、補修方法や施工範囲を個別に確認することが大切です。
バンパーの樹脂、ドアの鋼板、車種によって使われるアルミなど、素材ごとに下地処理は異なります。樹脂に割れがある場合は塗装前に補修が必要です。金属の下地が露出した部分には、素材に応じた防食処理が欠かせません。素材や塗装の種類が分からなければ、車両情報と塗装の色番号を伝えて確認しましょう。
下地処理も仕上がりに関わります。傷んだ塗膜の周囲をならし、素材に合う下塗りをしたうえで色を重ねる工程です。古い塗膜が浮いている箇所にそのまま上塗りすると、仕上がりに段差や剥がれが出るおそれがあります。見積もりで作業範囲に差があるときは、どこまで傷んだ塗膜を除去し、どの範囲にクリアを塗るのか聞くと比較しやすくなります。
センサー周辺や部品の脱着は見積もりに含まれる?
バンパーやドア周辺には、駐車支援センサー、カメラ、レーダー、モールなどが付いている車があります。補修範囲によっては部品を外す必要があり、取付部の損傷や部品の再使用可否も費用に関わります。安全装備の位置や作業内容によっては、組み付け後の点検や調整が必要です。必要な作業は車種と損傷箇所で異なるため、見積書で脱着・点検・調整の項目を確認してください。
表面に見える傷が小さくても、裏側の取付部が割れていると修理方法が変わります。最初の見積もりに含まれない作業が見つかった場合、作業前に追加額と理由を知らせてもらえるかも確認しておくと、予算を管理しやすくなります。
塗装の見え方は、日なたと日陰、見る角度によって変わります。色合わせの結果をどこまで求めるかは、車の使い方や傷の位置にも左右されます。目立つドア中央の傷と、視線が届きにくい下部の傷では、同じ方法が最適とは限りません。見積もり時に傷の場所を実車で示し、完成後に気になりそうな点を先に伝えておくと、施工範囲の提案を受けやすくなります。